「エコキュートを導入したいけど、ネットで検索すると『おすすめしない』『やめとけ』『後悔する』という言葉があって不安…。」
このように感じている人もいるのではないでしょうか。
毎月の光熱費をぐっと抑えられ、環境にも優しいと評判のエコキュートですが、その一方で初期費用が高い、お湯切れが心配、水圧が弱くなる、といったネガティブな声も。
そこでこの記事では、なぜ「やめとけ」と言われるのか、その具体的なデメリットと、それを解決するための対策を深掘りしていきます。
この記事を読めば、エコキュートに対する不安が軽くなるでしょう。
ぜひ最後まで参考にしてみてくださいね!
エコキュートとは

エコキュートは、お湯を環境に優しく、そして経済的に作り出す家庭用給湯システムです。
正式名称を「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」といい、「エコキュート」はその愛称として広く親しまれています。
エコキュートの仕組みと特徴
エコキュートは、主に2つの主要な機器から構成されています。
一つは、エアコンの室外機に似た形状の「ヒートポンプユニット」、もう一つは、冷蔵庫のような四角い形状の「貯湯タンク」です。
ヒートポンプユニットの役割は、ファンを回して取り込んだ空気の中から熱エネルギーを効率的に集めることです。
集められた熱は、ユニット内部を循環する「冷媒」に吸収されます。
この熱を吸収した冷媒をコンプレッサー(圧縮機)で強く圧縮することで、さらに高温の状態を作り出します。
この高温の熱を水に伝えることで、約60℃の効率的なお湯が生成されるのです。
そして、作られたお湯は貯湯タンクに貯蔵され、お風呂やキッチンなどで使用する際に水と混ぜて適切な温度に調整された後、各所に供給されます。
この一連の湯沸かし作業は、一般的に電気料金が割安に設定されている深夜時間帯に行われるよう設計されており、日々のランニングコストを抑える工夫がなされています。
なぜ「おすすめしない」「やめとけ」と言われる?
エコキュートは、毎月の光熱費を大幅に削減でき、環境にも優しい給湯器として年々その設置台数を増やしています。
しかし、インターネットで情報を検索すると、「エコキュート やめとけ」「おすすめできない」「後悔した」といったネガティブなキーワードや口コミが目につくことも事実です。
こうした声を目にすると、導入を検討している方は大きな不安を感じてしまうかもしれません。
このような否定的な意見が上がる背景には、エコキュートが持つ多くのメリットの裏側にある、いくつかの特性やデメリットが関係しています。
例えば、初期費用の高さや、貯湯式であることによるお湯切れのリスク、設置スペースの確保といった点が、導入した方のライフスタイルや価値観によっては大きなデメリットと感じられることがあります。
「おすすめしない」「やめとけ」と言われる具体的なデメリットと背景

ここではなぜネガティブなことが言われているのか、その原因をみていきます。
初期費用の高さと経済的負担の懸念
エコキュートの導入をためらう理由として、最も多く挙げられるのが「初期費用の高さ」です。
エコキュートと、最も一般的な給湯器であるガス給湯器の導入費用を比較すると、その差は明確です。
一般的なガス給湯器の設置費用は、本体価格と標準的な施工費を含めて、おおよそ6万円から15万円が相場とされています。
これに対し、エコキュートの導入費用は、本体価格と設置工事費を合わせると35万円から60万円が一般的な相場です。
初期費用がガス給湯器より数十万円単位で高額になるため、「本当に元が取れるのか」「投資に見合う効果があるのか」という不安がネガティブなイメージに繋がっていると考えられます。
お湯切れのリスクと日常生活での不便さ
「エコキュートはやめとけ」と言われる最も大きな理由の一つが、この「お湯切れ」のリスクです。
エコキュートは、電気料金が安い夜間の時間帯に1日分のお湯をまとめて沸かし、それを貯湯タンクに貯めておく「貯湯式」の給湯器です。
そのため、来客があったり、家族がお湯を使いすぎたりして、タンクに貯めておいたお湯が想定以上になくなってしまうと、お湯が使えなくなる「お湯切れ」が発生する可能性があります。
お風呂に入りたいときや洗い物をしたいときにお湯が出ないという事態は、日常生活において大きなストレスとなり、これが導入を後悔する原因になり得ます。
水圧の低下とシャワー利用時の不満
これまでガス給湯器のパワフルなシャワーに慣れていた方がエコキュートを導入した際に、しばしば不満点として挙げるのが「水圧の低下」です。
特に、勢いの良いシャワーを好む方にとっては、物足りなさを感じ、日々のバスタイムの満足度が下がってしまう可能性があります。
この水圧の問題は、エコキュートの構造的な特性に起因しており、導入前に理解しておくべき重要なポイントです。
しかし現在では、標準タイプよりも高い水圧を実現した「高圧タイプ」や「パワフル高圧タイプ」のエコキュートが数多く販売されています。
また手軽な対策として、シャワーヘッドを節水効果のある「低水圧用」や「高水圧タイプ」のものに交換するだけでも、水流の勢いを改善できる場合があります。
稼働音(低周波音)による近隣トラブル
エコキュートの導入を検討する際、意外と見落としがちながらも非常に重要なのが「稼働音」の問題です。
エコキュートのヒートポンプユニットは、お湯を沸かす際にファンが回転し、コンプレッサーが作動するため、ある程度の音が発生します。
この音が、特に住宅が密集している地域では、ご近所との騒音トラブルに発展する可能性を秘めているため、デメリットとして挙げられます。
実際に、隣家の寝室近くに設置してしまったことでクレームに繋がり、稀なケースではありますが訴訟問題にまで至った事例も報告されています。
電気料金プラン変更の手間と昼間の電気代増加
エコキュートが光熱費を劇的に節約できる最大の理由は、電気料金が格安に設定されている「夜間」にお湯をまとめて沸かす仕組みにあります。
この恩恵を最大限に受けるためには、エコキュートの導入と同時に、家庭の電気料金プランを「深夜電力が安いプラン」に変更することが必須となります。
しかし、このプラン変更の手続きが面倒だと感じられたり、プラン変更に伴う新たなデメリットが生じたりすることが、エコキュートをおすすめしない理由の一つとして挙げられます。
設置スペースの確保と景観への影響
従来のガス給湯器や電気温水器からエコキュートへの交換を検討する際、見落としがちですが非常に重要なのが「設置スペース」の問題です。
エコキュートは、空気の熱を取り込む「ヒートポンプユニット」と、沸かしたお湯を貯めておく「貯湯タンクユニット」という、2つの機器で構成されています。
このため、壁掛けタイプのコンパクトなガス給湯器などと比較して、格段に広い設置スペースが必要となり、これが導入の障壁となるケースが少なくありません。
使用できる入浴剤の制限
日々の疲れを癒すバスタイムに、お気に入りの入浴剤を使うことを楽しみにしている方は多いでしょう。
しかし、「エコキュートを導入すると入浴剤が使えなくなる」という話を聞いて、導入をためらっている方もいるかもしれません。
この情報は完全に間違いではありませんが、正確には「機種やメーカー、入浴剤の種類によっては使用が制限される」というのが実情です。
全ての入浴剤が使えなくなるわけではなく、仕組みを理解し、適切な製品を選べば、エコキュートでもバスタイムを楽しむことは十分に可能です。
特に注意が必要な成分としては、以下のようなものが挙げられます。
- 白濁タイプ(にごり湯)の入浴剤: 酸化チタンなどの無機物が含まれており、これらが配管内やフィルターに付着・沈殿し、詰まりの原因となります。
- 炭酸ガスが発泡するタイプ: 発泡したガスが機器に悪影響を与える可能性があります。
- 硫黄、塩分、酸、アルカリを多く含むもの: これらは配管や熱交換器などの金属部品を腐食させるリスクが非常に高いです。
- その他: 固形物やとろみ成分、植物(ハーブなど)を含むものも詰まりの原因になり得ます。
メーカーによっては、花王の「バブ」やバスクリンの「きき湯」など、具体的な商品名を挙げて使用を推奨していないケースもあるため、事前の確認が重要です。
貯湯タンクのお湯は飲用できない
エコキュートは、大容量の貯湯タンクに常にお湯(または水)を貯めているため、災害による断水時にも生活用水が確保できるという大きなメリットがあります。
しかし、このタンク内のお湯は、基本的に「飲用には適していない」とされています。
キッチンで料理に使ったり、直接飲んだりすることは推奨されていません。
この点を理解せずに導入すると、いざという時に「飲めると思っていたのに違った」と後悔する可能性があるため、注意が必要です。
停電時における給湯制限
エコキュートは、その名の通り「電気」を動力源としてお湯を沸かす給湯システムです。
そのため、台風や地震などの自然災害、あるいは予期せぬトラブルによって停電が発生すると、お湯を沸かす機能が完全に停止してしまいます。
特に、お風呂が必須となる冬場など、寒い時期に長時間の停電が発生した場合、「お湯が沸かせず困ってしまう」という声は、エコキュートの明確なデメリットとして認識されています。
ただし、これはエコキュートに限った話ではなく、現代のガス給湯器や石油給湯器もリモコンや安全装置の作動に電気を必要とするため、停電時には使用できなくなるケースがほとんどです。
修理費用が高額になる可能性
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプユニットや、お湯を貯める貯湯タンク、そしてそれらを制御する電子基板など、多くの精密な部品で構成された複雑なシステムです。
そのため、万が一故障してしまった場合の修理費用が、比較的構造がシンプルなガス給湯器などと比べて高額になる傾向があります。
特に、メーカーの保証期間が過ぎた後や、保証の対象外となる故障が発生した場合、予期せぬ高額な出費に「こんなはずではなかった」と後悔する家庭もあるようです。
定期的なメンテナンスの手間
エコキュートは、一度設置すれば何もしなくても良いというわけではありません。
その高い省エネ性能を維持し、できるだけ長く安心して使い続けるためには、定期的にお手入れやメンテナンスを行う必要があります。
このメンテナンス作業を「手間だ」「面倒くさい」と感じることが、エコキュートのデメリットの一つとして挙げられます。
しかし、この一手間を惜しんでメンテナンスを怠ると、機器の性能が徐々に低下したり、汚れが原因で故障を引き起こし、結果的に寿命を縮めてしまったりするリスクがあります。
簡単な作業で故障を防げるのであれば、むしろメリットと捉えることもできるでしょう。
以下のような日常的なお手入れが推奨されています。
- 風呂配管の洗浄: 多くのフルオートタイプには自動配管洗浄機能がついていますが、定期的に市販の配管洗浄剤(メーカー推奨品)を使って、追い焚き配管の内部をきれいに保ちます。
- 各ユニットの清掃: リモコンや貯湯ユニット、ヒートポンプユニットの周りを乾いた布で拭き、ホコリや汚れを取り除きます。特にヒートポンプユニットの周りに物を置くと、空気の吸い込みを妨げ、効率が低下するので注意が必要です。
- 風呂接続アダプターのフィルター清掃: 浴槽内にある追い焚き口のフィルターを取り外し、歯ブラシなどで水洗いします。
これらの簡単な作業を定期的に行うだけで、エコキュートは常にベストな状態で稼働してくれます。
エコキュートが選ばれる理由とメリット

エコキュートにはいくつかのデメリットが存在するにもかかわらず、2023年8月には累計出荷台数が900万台を突破しました。
ここでは、エコキュートが選ばれ続ける理由を解説します。
光熱費の大幅な節約効果
エコキュートを導入する最大のメリットであり、最も多くの人が導入を決意する理由が、この「光熱費の大幅な節約効果」です。
家庭におけるエネルギー消費の中で、給湯が占める割合は約3割とも言われ、非常に大きなウェイトを占めています。
この給湯コストをいかに抑えるかが、家計の負担を軽減する上で重要な鍵となります。
エコキュートは、その独自の仕組みによって、従来の給湯器では実現が難しかったレベルでのランニングコスト削減を可能にする、非常に魅力的なツールとなります。
災害時における生活用水の確保
近年、地震や台風、豪雨といった自然災害が頻発する日本において、家庭での「防災意識」はますます高まっています。
エコキュートは、普段の生活を快適にするだけでなく、こうした予期せぬ災害やライフラインのトラブルが発生した際に、家族の安全と安心を支える心強い味方となってくれます。
エコキュートの最大の強みの一つが、大容量の貯湯タンクに常に大量のお湯(または水)を貯めている点です。
災害によって水道が止まってしまう「断水」が発生した場合でも、このタンク内に残っているお湯を「生活用水」や「非常用水」として活用することができます。
例えば、一般的な370Lの貯湯タンクユニットであれば、満タン時には2Lのペットボトル約185本分にも相当する水量が確保されていることになります。
これは、災害時に家族が数日間を乗り切るためのトイレの洗浄水、体を拭くための水、食器をすすぐための水として、非常に貴重な水源となります。
火災リスクの低減と安全性向上
日々の暮らしの中で、何よりも優先されるべきは「家族の安全」です。
エコキュートは、お湯を沸かす仕組みそのものが安全性を高める設計になっており、特に火災のリスクを大幅に低減できるという大きなメリットがあります。
従来のガス給湯器や石油給湯器は、その名の通りガスや灯油といった燃料を「燃焼」させることで熱を発生させ、お湯を作ります。
燃焼を伴う以上、どうしても火災のリスクはゼロにはできません。
また、換気が不十分な状態で使用すると、不完全燃焼による一酸化炭素(CO)中毒の危険性や、ガス漏れといった不安も常に付きまといます。
一方、エコキュートは、電気と空気の熱を利用してヒートポンプでお湯を沸かすため、運転中に火を一切使いません。
これにより、燃焼に伴う火災の心配が根本的になくなります。
火災やガス事故のリスクがないという点は、特に小さなお子様やご高齢の方がいらっしゃる家庭にとって、非常に大きなメリットとなります。
万が一の事態を想定した際の心配事が一つ減るだけで、日々の暮らしの精神的な負担は大きく軽減されます。
好奇心旺盛な子供が給湯器に近づいたり、ご高齢の方が誤った操作をしてしまったりする可能性を考えても、火を使わないエコキュートであれば、安心して使用することができます。
家族みんなが安全に、そして快適に暮らすための設備として、エコキュートは非常に優れた選択肢であると言えるでしょう。
太陽光発電システム・オール電化住宅との抜群の相性
エコキュートのメリットは、単体で利用するだけでも大きいですが、太陽光発電システムやオール電化といった他の設備と組み合わせることで、機能を最大限に発揮します。
これらのシステムとの相乗効果により、さらなる光熱費の削減と快適な暮らしが実現可能です。
補助金制度の活用による初期費用の軽減
エコキュート導入の最大のハードルである「初期費用の高さ」。
この負担を軽減するために、国や地方自治体が補助金制度を設けていることは、非常に大きなメリットです。
環境性能に優れた製品の普及を促進するためのこれらの制度をうまく活用すれば、よりお得にエコキュートを導入することが可能になります。
長期保証による修理費用不安の軽減
エコキュートのデメリットとして挙げられる「故障時の修理費用が高額になる可能性」。
この不安を和らげ、長期間にわたって安心して製品を使い続けるためのセーフティーネットが「長期保証制度」です。
適切な保証に加入しておくことで、万が一の際の経済的なリスクを大幅に軽減できます。
多くの販売店やメーカーでは、数万円程度の追加料金を支払うことで、保証期間を最長10年まで延長できるサービスを提供しています。
この延長保証に加入しておけば、保証期間内に発生した自然故障(取扱説明書に従った通常の使用における故障)であれば、高額になりがちな部品代や出張費、技術料などが原則無料で修理してもらえます。
進化する機能と利便性の向上
「エコキュートはただお湯を沸かすだけの機械」というのは、もはや過去の話です。
現代のエコキュートは、単なる給湯器の枠を超え、私たちの暮らしをより快適に、より便利に、そしてより安全にするための様々な先進機能を搭載しています。
メーカー各社の技術開発により、その機能は年々進化を続けており、高い付加価値を提供しています。
家族の安全を支える機能として、特に注目されているのが「見守り機能」です。
例えば、コロナのエコキュートに搭載されている音声モニター機能を使えば、キッチンなどの台所リモコンから、浴室内の様子を音声で確認したり、双方向での通話が可能です。
これにより、一人で入浴しているお子様やご高齢の家族の様子をさりげなく確認でき、万が一の事態にも迅速に対応できます。
また、メーカーによっては、長湯を検知してリモコンで知らせたり、入浴状況をランプで知らせたりする機能もあり、離れて暮らす家族を見守る安心にも繋がります。
毎日のバスタイムをより清潔で快適なものにするための機能も充実しています。
三菱電機の「キラリユキープ」機能は、循環するお湯に深紫外線を照射することで、菌の増殖を抑制し、残り湯のニオイやにごりを抑えて、いつでもきれいなお湯を保ちます。
これにより、次の日のお洗濯にも気持ちよく残り湯を使えます。
また、三菱の「ホットあわー」やダイキンの「マイクロバブル入浴」機能は、微細な泡で体を包み込み、肌のうるおいを保ったり、湯冷めしにくくしたりする効果が期待でき、ワンランク上のリラックスタイムを演出します。
後悔しないエコキュート選びの具体的なポイントと対策

エコキュートは、導入前の「選び方」がとても重要になります。
ここでは、後悔しないために押さえておくべき具体的な選択のポイントと、デメリットへの対策を解説していきます。
家族構成とライフスタイルに合わせたタンク容量の選択
エコキュート選びで最も基本的かつ重要なのが、「貯湯タンクの容量」の選択です。
価格を少しでも抑えようと、必要最低限の容量を選んでしまうと、日常生活でお湯切れが頻発し、大きなストレスの原因となります。
お湯切れのたびに電気代の高い昼間に沸き増しを繰り返せば、せっかくの省エネ性能も台無しになり、「こんなはずではなかった」と後悔する典型的なパターンに陥ってしまいます。
各メーカーは、家族の人数に応じたタンク容量の目安を提示しています。
これは機種を選ぶ上での基本的な指標となります。
- 370Lタイプ:主に2人~3人家族向け
- 460Lタイプ:主に4人~5人家族向け
- 550Lタイプ:主に6人~7人家族、または二世帯住宅向け
生活パターンに最適な電気料金プランの選定
エコキュートの基本戦略は、電気料金が安い深夜時間帯にお湯を沸かすことです。
そのため、導入と同時に電力会社の「時間帯別電灯契約」や「オール電化向けプラン」など、深夜の電力量料金単価が安く設定されているプランに変更するのが一般的です。
しかし、これらのプランには「昼間の電気代が割高になる」という大きな特徴があります。
このため、家庭のライフスタイルによっては、このプラン変更が裏目に出ることがあります。
例えば、在宅ワークで日中もエアコンやパソコンを長時間使用する家庭、小さなお子様やご高齢の方がいて一日中在宅している家庭など、昼間の電気使用量が多い場合、給湯費は安くなっても、それ以外の電気代が大幅に上昇し、トータルでの光熱費が思ったほど下がらなかったり、逆に高くなったりするケースが考えられます。
各電力会社は様々な料金プランを用意しているため、単純に深夜が安いプランに飛びつくのではなく、昼間の料金も考慮したバランスの良いプランを比較検討することが非常に重要です。
高水圧タイプやシャワーヘッドの検討
水圧の弱さが気になる方や、パワフルなシャワーを好む方、そして特に2階や3階に浴室やキッチンがある住宅では、標準タイプではなく「高圧タイプ」や「パワフル高圧タイプ」のエコキュートを選ぶことが必須の対策となります。
これらのモデルは、標準タイプ(約170~180kPa)よりも大幅に高い水圧を実現するように設計されています。
また「高圧タイプを選ぶほどの予算はないけれど、少しでも水圧を改善したい」という場合には、より手軽な対策として「シャワーヘッドの交換」が有効です。
ホームセンターや家電量販店では、水圧が低い環境でも水流の勢いを高めてくれる「低水圧用シャワーヘッド」や「高水圧タイプ」のシャワーヘッドが数多く販売されています。
機能と価格のバランス
エコキュートの価格は、貯湯タンクの容量と、搭載されている「機能」によって大きく左右されます。
最新の機種には、省エネ性能を高める機能から、バスタイムを快適にする機能、家族の安全を見守る機能まで、多種多様な便利機能が搭載されています。
エコキュートは、お風呂の機能によって主に以下のタイプに分かれます。
- 給湯専用タイプ: 蛇口やシャワーからお湯を出すだけの最もシンプルなタイプ。お湯張りも手動で行います。機能が少ない分、価格が最も安く、導入費用を最大限に抑えたい方向けです。
- オートタイプ(セミオート/エコオート): リモコンのボタン一つで、設定した湯量・湯温で自動的にお湯張りができます。ただし、お湯が冷めた際の「追い焚き」や「自動保温」機能はありません。冷めた場合は「高温足し湯」で対応します。価格と機能のバランスが良いタイプです。
- フルオートタイプ: 自動お湯張りに加え、お湯が冷めると自動で保温・追い焚きをしてくれる全自動タイプです。湯量が減れば自動で足し湯も行います。最も便利で快適なため、現在では主流のタイプとなっています。
設置場所の工夫と低騒音モデルの選択
騒音対策で最も重要かつ効果的なのは、「設置場所」の選定です。
ヒートポンプユニットを設置する際は、まずご自身の家の寝室から離すことはもちろん、最も配慮すべきは「お隣の家」です。
隣家の寝室やリビングの窓、換気口の近くといった、音が室内に入り込みやすい場所への設置は絶対に避けるべきです。
設置場所の周辺環境も、音の伝わり方に大きく影響します。
特に注意したいのが、ヒートポンプユニットをブロック塀やコンクリート壁で三方または四方を囲まれたような場所に設置することです。
このような場所では、ユニットから発生した稼働音が壁に反響し、音が共鳴・増幅されてしまいます。
入浴剤利用の注意と製品選び
「エコキュートにすると、お気に入りの入浴剤が使えなくなるのでは?」という不安は、バスタイムを大切にする方にとって大きな懸念事項です。
しかし、全ての入浴剤が使用禁止というわけではありません。
機種のタイプやメーカーの推奨を守れば、エコキュートでも入浴剤を楽しむことは十分に可能です。
まず知っておくべきは、エコキュートのタイプによって入浴剤使用の可否が大きく異なる点です。
お湯張りだけを行う「給湯専用タイプ」や、追い焚き機能のない「オート(セミオート)タイプ」は、浴槽のお湯を循環させないため、基本的にはどのような入浴剤でも問題なく使用できます。
注意が必要なのは、追い焚き機能を持つ「フルオートタイプ」です。
このタイプでは、入浴剤の成分が配管を傷めたり詰まらせたりする可能性があるため、使用できる入浴剤に制限があります。
フルオートタイプのエコキュートで、メーカーから特に使用を控えるよう注意喚起されているのは、以下のような成分を含む入浴剤です。
- 硫黄・塩分・酸・アルカリを強く含むもの: 温泉成分を模したタイプなど。金属部品を腐食させるリスクが非常に高いです。
- 白濁タイプ(にごり湯): 酸化チタンなどの無機物が配管内に付着し、詰まりの原因となります。
- 固形物やとろみ成分、植物(ハーブなど)を含むもの: フィルター詰まりの直接的な原因になります。
- 炭酸カルシウムを含むもの: 水垢と同様に固着し、性能低下を招きます。
- 花王の「バブ」やバスクリンの「きき湯」といったメジャーな炭酸ガス系入浴剤も、メーカーによっては非推奨の場合があるため、個別の確認が必要です。
エコキュートの主要メーカー別特徴と選び方

エコキュートの導入を具体的に検討し始めると、パナソニック、ダイキン、三菱電機、日立、コロナといった主要メーカーの中から、どの製品を選べば良いのかという新たな課題に直面します。
各メーカーは、省エネ性能、独自機能、耐久性など、それぞれに特色があり、強みとするポイントが異なります。
各メーカーの市場シェアと故障の関連性
エコキュート選びにおいて、「どこのメーカーが一番壊れにくいのか?」という点は、多くの人が気になるポイントです。
インターネット上では特定のメーカーの故障事例が目立つことがあり、不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、その情報は本当に正しいのでしょうか。
結論から言うと、「このメーカーは特に壊れやすい」と断定できるような特定のメーカーは存在しない、というのが業界の一般的な見方です。
もちろん、製品である以上、一定の確率で初期不良や故障が発生することはどのメーカーでもあり得ます。
しかし、メーカー間で故障率に統計的に有意な、大きな差があるというデータは存在しません。
| メーカー名 | 主な特徴・技術 | 省エネ・快適機能例 | 耐震性・耐久性 | その他おすすめポイント |
| パナソニック | ・AIエコナビ・ソーラーチャージ・リズムeシャワープラス・ぬくもりチャージ | ・最大約35%の省エネ効果・太陽光余剰電力の活用・残り湯の熱を再利用 | ・業界唯一の「4本足構造」で高耐震性 | ・HOME IoT対応でスマホ操作可能・温浴セレクトなど快適機能も充実 |
| ダイキン | ・パワフル高圧給湯(320kPa)・ヒートポンプユニット単体交換可・UV除菌「おゆぴかUV」・マイクロバブル入浴 | ・高水圧で2階・3階でも快適給湯・自動沸き上げ量調整(天気連動) | ・震度7対応モデルあり・転倒防止金具オプション・タンクはステンレス製で高耐久 | ・ヒートポンプ部のみ交換できる製品あり |
| 三菱電機 | ・バブルおそうじ・深紫外線除菌「キラリユキープ」・ホットあわー(マイクロバブル)・ホットりたーん(省エネ回収) | ・年間給湯保温効率4.2(業界トップクラス)・入浴後自動配管洗浄で清潔 | ・配管洗浄機能ありでメンテ性◎ | ・ラインナップ豊富(180L~550L)・美容や健康にも配慮した機能が多い |
| 日立 | ・水道直圧給湯(ナイアガラ出湯)・井戸水対応モデル(ナイアガラタフネス)・ウレタンク(高断熱) | ・水圧がガス給湯器並みに強力・貯湯せず瞬間加熱なので飲用も可 | ・耐震クラスS対応の高耐震設計・配管材にステンレス採用(井戸水対応) | ・断熱性も高く省エネ◎・水質に不安がある地域に特におすすめ |
| コロナ | ・ES制御(センサー+学習)・音声モニター&通話機能・風呂自動一時停止・デザイン性にも配慮 | ・年間給湯保温効率4.0・高圧給湯対応 | ・配管ステンレス化で耐久性向上 | ・初代エコキュートメーカー・高齢者や子供向け機能が豊富 |
エコキュートの設置・交換はどうやる?

エコキュートの機種選びと並行して、導入を成功させるために不可欠なのが、「設置・交換」に関する正しい知識です。
エコキュート交換工事の費用相場と内訳
エコキュート導入の総費用は、「本体価格」と「工事費」の二つで構成されます。
特に工事費は、現在の給湯器の種類や設置場所の状況によって大きく変動するため、総額を正確に把握しておくことが重要です。
エコキュートの設置・交換にかかる総費用の全国的な平均は約44万円とされています。
一般的な価格帯としては、本体価格と標準的な工事費を合わせて35万円から60万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
もちろん、高機能な最上位機種や、大家族向けの550L以上の大容量タイプを選ぶ場合は、総額が70万円、場合によっては100万円に達することもあります。
費用の内訳を見てみると、
- 本体価格: 15万円から35万円が一般的な目安です。これは割引後の実売価格であり、機能が豊富なフルオートタイプや多人数向けモデルでは50万円を超えることもあります。
- 工事費用: 10万円から20万円が目安となります。これには、既存の給湯器の撤去費用、新しいエコキュートの設置費用、配管工事費などが含まれます。
一般的なガス給湯器の設置費用が6万円から15万円程度であるのと比較すると、初期費用が高額に感じられるのは事実です。
しかし、この差額は、導入後の光熱費削減効果によって、数年で回収可能であるとされています。
エコキュートの価格は、タンク容量と機能タイプによって明確な価格帯が存在します。
以下は、工事費込みの総額の目安です。
- 300L(2~3人用): 給湯専用タイプで29万円~48万円、フルオートタイプで30万円~49.5万円
- 370L(3~5人用): 給湯専用タイプで32.5万円~46.7万円、フルオートタイプで37万円~59万円
- 460L(5~7人用): 給湯専用タイプで35万円~50.5万円、フルオートタイプで40万円~61.5万円
これらはあくまで標準的なモデルの価格帯であり、寒冷地仕様や井戸水対応モデル、耐塩害仕様といった特殊な製品は、さらに高額になる傾向があります。
ご自身の家庭に必要なスペックと予算を照らし合わせながら、最適なモデルを検討しましょう。
現在ガス給湯器や石油給湯器をお使いの家庭が、新たにエコキュートを設置する場合、既存のエコキュートからの交換に比べて、いくつかの追加工事が必要となり、その分費用が上乗せされる点に注意が必要です。
- 基礎工事: 重量のある貯湯タンクを安定して設置するため、コンクリートの土台(基礎)を作る工事が必要です。
- 電気工事: エコキュートは200Vの専用電源を必要とするため、分電盤から設置場所まで専用の配線を引き込む工事が発生します。また、深夜電力プランを利用するために、電力メーターの交換工事が必要になる場合もあります。
これらの追加工事費用は、設置場所の状況によって異なりますが、数万円から10万円以上かかることもあります。
ガス給湯器からの交換を検討する際は、これらの追加費用も見積もりに含めてもらうことが重要です。
最新の補助金制度情報と最大限の活用法
高額な初期費用を軽減してくれる非常に心強い味方が、国や自治体が実施する「補助金制度」です。
これらの制度を最大限に活用することで、実質的な負担を大幅に抑えることができます。
2025年現在、エコキュート導入を検討するなら絶対に活用したいのが、経済産業省資源エネルギー庁が主導する「給湯省エネ2025事業」です。
これは、高効率給湯器の普及を促進するための非常に手厚い補助金制度です。
- 補助金額: エコキュート(ヒートポンプ給湯器)1台あたりの基本補助額は6万円です。さらに、導入する機器の省エネ性能に応じて4万円から最大7万円が加算され、合計で最大13万円の補助金が交付されます。
国の補助金に加えて、お住まいの都道府県や市区町村といった地方自治体が、独自にエコキュート設置に対する補助金制度を設けている場合があります。
これらの自治体の補助金は、国の補助金と「併用」できるケースが多く、両方を利用できれば、さらに自己負担額を減らすことが可能です。
エコキュート導入がおすすめなケース・おすすめしないケース

ここまで、エコキュートのデメリットとメリット、選び方のポイントを多角的に解説してきました。
ここではどのような家庭にエコキュートが向いているのか、逆に向いていないのかを総まとめします。
エコキュートが特におすすめな家庭の特徴
以下の特徴に一つでも当てはまる家庭は、エコキュートを導入することで大きなメリットを得られる可能性が非常に高いと言えます。
- エコキュート導入の最大の動機であり、最大のメリットは、何と言っても「光熱費の大幅な削減」です。深夜の割安な電力を活用することで、給湯にかかるコストを従来のガス給湯器の約3分の1にまで抑えることが可能です。
- 地震や台風など、自然災害への備えを重視したい家庭にとって、エコキュートは非常に心強い存在です。大容量の貯湯タンクは、災害による断水時でも、数日間の生活用水(トイレ、手洗いなど)を確保できる「巨大な貯水タンク」として機能します。また、ライフラインの復旧は一般的にガスよりも電気の方が早い傾向にあるため、電気が復旧すればすぐに温かいお湯を使える生活に戻れるという安心感もあります。ただし、タンク内のお湯は飲用には適さないため、その点は理解しておく必要があります。
- 太陽光発電システムを設置している、または将来的に設置を検討している家庭と、エコキュートの相性は抜群です。エコキュート導入のデメリットである「昼間の電気代が割高になる」点を、太陽光発電による自家発電で完全にカバーできるからです。昼間は自家発電の電気を使い、夜間は安い深夜電力を購入するという理想的なエネルギーマネジメントにより、電気代を極限まで削減することが可能です。近年注目されている「おひさまエコキュート」を選べば、昼間の余剰電力でお湯を沸かすこともでき、FIT制度終了後の電力の有効活用先としても最適です。
- 新築やリフォームでオール電化住宅を検討している家庭にとって、エコキュートは給湯システムの標準的な選択肢となります。家庭のエネルギー消費の約3割を占める給湯を、最も効率的な方法でまかなうことができるため、オール電化の省エネ効果を最大限に高めてくれます。ガスを一切使わないため、基本料金を電気に一本化できるメリットもあります。
- ガスや石油といった燃料を燃焼させないエコキュートは、火を使わないため、火災のリスクが根本的にありません。また、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒といった、命に関わる深刻な事故の心配もなくなります。小さなお子様やご高齢の家族がいる家庭にとって、この「安全性の高さ」は、何物にも代えがたい大きなメリットとなるでしょう。
- 共働きで日中はほとんど家にいない、あるいは昼間は外出していることが多いなど、昼間の電気使用量がもともと少ない家庭は、エコキュート導入のメリットを最大限に享受できます。深夜電力プランの恩恵を最大限に受けつつ、割高になる昼間の電気代の影響を最小限に抑えられるため、効率的に光熱費を削減することが可能です。
エコキュートをおすすめしない家庭の特徴
一方で、以下のようなライフスタイルや価値観を持つ家庭では、エコキュートの特性がデメリットとして強く感じられ、導入後に後悔してしまう可能性があります。
- 大家族で一度に大量のお湯を使ったり、家族の入浴時間が集中したり、来客が頻繁にあったりと、お湯の使用量が日によって大きく変動する家庭では、貯湯式のデメリットである「お湯切れ」のリスクが常に付きまといます。お湯がなくなることを心配しながら生活することにストレスを感じる方や、いつでも好きなだけお湯を使いたいという方には、都度お湯を沸かす瞬間式のガス給湯器の方が向いているかもしれません。
- エコキュートの導入費用は、工事費込みで40万円~60万円が相場であり、ガス給湯器(6万円~15万円)に比べて高額です。補助金制度を活用しても、ある程度の自己負担は必要になります。長期的なコスト削減よりも、目先の導入費用を何よりも安く抑えたい、ということを最優先に考える場合は、エコキュート以外の給湯器が現実的な選択肢となります。
- 在宅ワークや自営業で日中も多くの電気を使ったり、小さなお子様がいて常に誰かが家にいるなど、昼間の在宅時間が長く、電気使用量が非常に多い家庭は注意が必要です。深夜電力が安いプランに変更することで、割高になった昼間の電気代が給湯費の削減分を上回ってしまい、トータルの光熱費が逆に高くなってしまう可能性があります。太陽光発電を併設しない場合は、導入を慎重に判断すべきです。
- 「シャワーはとにかくパワフルでなければ満足できない」という強いこだわりがある方にとって、標準的なエコキュートの水圧は物足りなく感じる可能性があります。もちろん、ダイキンや日立などが販売する高水圧タイプのモデルを選べば、この問題は解決できますが、その分、機種の選択肢が狭まり、価格も高くなる傾向があります。水圧へのこだわりが最優先事項である場合は、ガス給湯器の圧力を再評価する価値があるかもしれません。
- エコキュートは、貯湯タンクとヒートポンプユニットという2つの大きな機器を設置するためのスペースが必要です。特に都市部の狭小地などで、物理的にこのスペースを確保できない場合は、導入は不可能です。また、広い庭があっても、その景観を非常に大切にしており、大きな機器を置くことに強い抵抗感があるという方にも、エコキュートは向いていないと言えるでしょう。
- エコキュートのお湯は、貯湯タンクに長時間貯められている過程で水道水の消毒成分が抜けてしまうため、飲用には適していません。料理や飲料水として、蛇口から出るお湯を直接使いたいと考えている方には、この点はデメリットとなります。どうしても飲用したい場合は、お湯を直接使わない日立の「水道直圧給湯」モデルが唯一の選択肢となります。
まとめ
今回は、「エコキュートはおすすめしない」という噂から、その具体的なデメリットとメリット、後悔しないための選び方のポイントまで解説してきました。
エコキュートは、初期費用の高さや湯切れ、水圧の問題など、確かに導入前に知っておくべき注意点が存在します。
しかし、本記事でご紹介した通り、これらのデメリットのほとんどは、適切なタンク容量の選択、高圧タイプの採用、ライフスタイルに合わせた電気料金プランの見直しといった「事前の対策」によって十分に解決・軽減できる課題です。
ぜひこの記事も参考に、理想的なエコキュートの導入を行なってみてくださいね。


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